まさかそんなことあるわけがない。
偶然乗り過ごして、乗り換えた電車で。
一つ空間を開けた隣にあなたがいるわけがない。
勘違い。他人の空似。
手のひらは冷たく濡れる。
そちらを見て確認することも、間違いを正すことも出来ない。
そう、そんな偶然なんて在り得ない。
絶対に違う。
そう思っても、顔を上げることすら出来ない。
怖い。
とても怖くて。
自分の弱さを突きつけられた。
まだ僕は 自分の罪から逃げているんだ
取り返せない過ちを
間違いを重ねたあの時のことを
何よりも僕の救いになっているのに
どうして僕は
何もあなたに返せない
それが僕への罰なのですか
一番上へ